
台北機廠の執務中心——総合事務棟
台北機廠の執務を担った総合事務棟(旧称:事務棟)は、工場の表玄関でもあります。1935年の落成当初より2013年に富岡機廠へその機能が移転されるまで、台北機廠の執務スペースとして使われ続けていました。
修復を施した総合事務棟は、1階を展示室として公開し、当時の様子を再現した復元展や常設展、特別展などを開催しています。
総合事務棟の復元展では、台北機廠時代の廠長室、副廠長室、会議室、総務室所管の出納課を公開。実際に使われていた家具を収集してディスプレイ棚に改修し、往時の雰囲気や歴史を感じていただける空間に仕上げています。

総合事務棟 復元展
台北機廠時代の廠長室、副廠長室、会議室、出納課を公開。実際に使われていた家具を収集してディスプレイ棚に改修し、1970年代のオフィスの歴史的な雰囲気を再現しています。
廠長室は1960~70年代の雰囲気を再現。無垢材の家具と精緻な内装が、組織のリーダーであった廠長の権威を象徴しています。この空間はまた、台湾の鉄道近代化の過程において台北機廠が果たした重要な役割を象徴し、鉄道の変革と技術革新を支える影の立役者であったことを表しています。

副廠長室では、国宝級の蒸気機関車修理の大家でもある鄭萬経前副廠長がコレクションしていた個人収集品や口述資料を展示しています。一人の鉄道職人の学び、仕事、退職後も活動を続けた人生の軌跡に触れることで、台湾の鉄道発展史をより深く理解することができます。
会議室は、かつて廠長が各部門の責任者を招集し、工場運営について協議を行っていた場所です。室内中央には、日本統治時代に製作され、現在は富岡機廠に移設されている大型の会議用テーブルを1対1のスケールで復元したものが置かれています。重厚な造形に精緻な彫刻が施され、台北機廠の幹部たちがさまざまな意思決定を行っていた当時の雰囲気がよみがえります。
出納課では当時、給与名簿の作成、現金の保管、資材購入費の支払いといった内部事務や、外部業者への支払業務を担っていた様子を紹介しています。あわせて、かつて各工場の給与袋を保管していた木箱のコレクションや、給与支給時に使用していた護身用の木製こん棒を特別に展示し、当時の情景を再現しています。